懲戒解雇と普通解雇

解雇という時に、「普通解雇」なのか「懲戒解雇」なのか、どっちみち「解雇」には違いないのだからと思われる方も多いようです。就業規則上も「解雇」「懲戒解雇」が分けられていますが、内容的に混同してるケースをよく目にします。
「懲戒解雇」と「普通解雇」の違いは何なのでしょうか?

「解雇(=普通解雇)」とは労働契約を使用者側から一方的に解消することです。
何らかの事情で労働契約の継続が困難となった場合に使用者側から契約を解除することをいいます。

「解雇」の意味合いとして「整理解雇」もありますが、「整理解雇」とは”事業を継続することが困難な場合に行う人員整理としての使用者からの労働契約(雇用契約)の解除”のことをいいます。

「労働契約」とは、”労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことを内容とする労働者と使用者の間の契約(労働契約法6条)”です。
労働者が労働の提供ができない場合などは本来、労働者から労働契約の解除を申し出る、つまり、退職届を提出するものと考えますが、労働者から退職の意思が表されない場合には、会社側から解雇も止むを得ないということになります。

以外の「解雇」の理由としては

  • 病気などにより労務の提供ができない場合
  • 本人の能力不足
  • 本人の成績不良

などです。
但し、客観的合理的な理由や社会通念上の相当性がなければ解雇は無効(労働契約法16条)となります。
また、解雇の理由は就業規則上の必要記載事項ですので、あらかじめ、就業規則に規定しておく必要があります。

一方「懲戒解雇」は、会社で働く中でのルールに違反した場合の制裁としての「解雇」です。
制裁には「訓戒」「減給」「出勤停止」などがありますが、その中でも一番重いのが、「懲戒解雇」です。

懲戒の意味合いには罪を反省し、職場に復帰するという意味合いもありますが、「懲戒解雇」の場合には、もはや復帰する望みも無い、会社からの追放処分ということですので、相当重い処分となります。

また、会社内でのルールと言えども、刑法と同じように、罪刑法定主義、不遡及の原則、一時不再理などが適用されるので、注意が必要です。
就業規則の必要記載事項としても、労働基準法第89条9項に「表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項」とあり、どのような場合にどのように罰せられるのかが明確となっている必要があります。

このように、「普通解雇」と「懲戒解雇」では大きく意味合いが異なりますので、就業規則に規定する場合もこのことを踏まえて規定しておく必要があります。

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投稿日時: 2014年7月 1日 13:19 | パーマリンク |TOPページへ画面上へ

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