育児休業の取得等を理由とする不利益取扱いの禁止

育児休業、介護休業、子の看護休暇、介護休暇、所定外労働の制限、所定労働時間の短縮措置、時間外労働の制限、深夜業の制限について、その申出をしたこと又は取得等を理由として、従業員に対し解雇その他不利益な取扱いをしてはいけません。

法律上禁止されている不利益取扱いとなる行為の例や、勘案事項については、指針で以下のとおり規定されています。

なお、これらはあくまで例示であり、これら以外の行為についても、個別具体的な事情を勘案すれば、不利益取扱いに該当する場合もあります。

「子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針」より

(1)法の規定により禁止される解雇その他不利益な取扱いは、労働者が育児休業等の申出等をしたこととの間に因果関係がある行為であること。

(2)解雇その他不利益な取扱いとなる行為には、例えば、次に掲げるものが該当すること。

  • イ 解雇すること。
  • ロ 期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと。
  • ハ あらかじめ契約の更新回数の上限が明示されている場合に、当該回数を引き下げること。
  • ニ 退職又は正社員をパートタイム労働者等の非正規社員とするような労働契約内容の変更の強要を行うこと。
  • ホ 自宅待機を命ずること。
  • へ 労働者が希望する期間を超えて、その意に反して所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限又は所定労働時間の短縮措置等を適用すること。
  • ト 降格させること。
  • チ 減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと。
  • リ 昇進・昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと。
  • ヌ 不利益な配置の変更を行うこと。
  • ル 就業環境を害すること。

(3)解雇その他不利益な取扱いに該当するか否かについては、次の事項を勘案して判断すること。

  • イ 勧奨退職や正社員をパートタイム労働者等の非正規社員とするような労働契約内容の変更は、労働者の表面上の同意を得ていたとしても、これが労働者の真意に基づくものでないと認められる場合には、(2)ニの「退職又は正社員をパートタイム労働者等の非正規社員とするような労働契約内容の変更の強要を行うこと」に該当すること。
  • ロ 事業主が、育児休業若しくは介護休業の休業終了予定日を超えて休業すること又は子の看護休暇若しくは介護休暇の取得の申出に係る日以外の日に休業することを労働者に強要することは、(2)ホの「自宅待機」に該当すること。
  • ハ 次に掲げる場合には、(2)チの「減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと」に該当すること。
    • (イ) 育児休業若しくは介護休業の休業期間中、子の看護休暇若しくは介護休暇を取得した日又は所定労働時間の短縮措置等の適用期間中の現に働かなかった時間について賃金を支払わないこと、退職金や賞与の算定に当たり現に勤務した日数を考慮する場合に休業した期間若しくは休暇を取得した日数又は所定労働時間の短縮措置等の適用により現に短縮された時間の総和に相当する日数を日割りで算定対象期間から控除すること等専ら当該育児休業等により労務を提供しなかった期間は働かなかったものとして取り扱うことは、不利益な取扱いには該当しない。一方、休業期間、休暇を取得した日数又は所定労働時間の短縮措置等の適用により現に短縮された時間の総和に相当する日数を超えて働かなかったものとして取り扱うことは、(2)チの「不利益な算定を行うこと」に該当すること。
    • (ロ) 実際には労務の不提供が生じていないにもかかわらず、育児休業等の申出等をしたことのみをもって、賃金又は賞与若しくは退職金を減額すること。
  • ニ 次に掲げる場合には、(二)リの「昇進・昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと」に該当すること。
    • (イ) 育児休業又は介護休業をした労働者について、休業期間を超える一定期間昇進・昇格の選考対象としない人事評価制度とすること。※
    • (ロ) 実際には労務の不提供が生じていないにもかかわらず、育児休業等の申出等をしたことのみをもって、当該育児休業等の申出等をしていない者よりも不利に評価すること。
  • ホ 配置の変更が不利益な取扱いに該当するか否かについては、配置の変更前後の賃金その他の労働条件、通勤事情、当人の将来に及ぼす影響等諸般の事情について総合的に比較考量の上、判断すべきものであるが、例えば、通常の人事異動のルールからは十分に説明できない職務又は就業の場所の変更を行うことにより、当該労働者に相当程度経済的又は精神的な不利益を生じさせることは、(2)ヌの「不利益な配置の変更を行うこと」に該当すること。また、所定労働時間の短縮措置の適用について、当該措置の対象となる業務に従事する労働者を、当該措置の適用を受けることの申出をした日から適用終了予定日までの間に、労使協定により当該措置を講じないものとしている業務に転換させることは(2)ヌ「不利益な配置の変更を行うこと」に該当する可能性が高いこと。
  • ヘ 業務に従事させない、専ら雑務に従事させる等の行為は、(2)ルの「就業環境を害すること」に該当すること。
  • ※<ニ(イ)の具体例>

    ・不可とする制度の例

    「3年連続A以上の評価であること」という昇格要件がある場合、2010年にA評価、2011年にA評価、2012年は休業、2013年にA評価である場合において、2013年度を3年目と取り扱わず、さらに2013年度から3年連続A以上評価を必要とすること。

    ・「一定期間」について

    例えば、次のような期間が考えられる。こうした場合が不利益取扱いに該当するか否かについては、制度の合理性、公平性を勘案して判断する必要がある。
    休業期間が複数の評価期間にまたがる場合に生ずる期間(毎年4月に前年度(4月から翌年3月まで)の実績を評価する場合に、2010年4月から16か月休業したときに、2011年4月の評価と2012年4月の評価がなされない。)
    評価期間より短い休業期間の場合に生ずる期間(毎年4月に前年度(4月から翌年3月まで)の実績を評価する場合に、2010年6月から7か月休業したときに、2011年4月の評価がなされない。)

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投稿日時: 2014年9月 3日 14:11 | パーマリンク |TOPページへ画面上へ

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