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2008.06.19 Thursday

特定健康診査と労働安全衛生法上の健康診断との関係

平成20年4月より、特定健康診査・特定保健指導が保険者に義務化された。
以前より事業主に義務付けられていた労働安全衛生法上の健康診断との関係があいまいであり、顧問先からも質問があったので、まとめてみました。

あくまでも概略ですので、詳細については社会保険事務局や労働基準監督署、社会保険労務士にご相談ください。

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労働安全衛生法 特定健康診査
義務者 事業主 医療保険者
対象者

常時使用する労働者
・期間契約の場合は1年以上の使用の見込み
・正社員の4分の3以上の勤務時間

医療保険の加入者で40?74歳の方
・被保険者
・被扶養者(被保険者の家族)

健診項目 35歳および40歳以上の方の健康診断項目は
特定健診項目をほぼ含む
労働安全衛生法上の視力、聴力の検査はない
費用負担 事業者 保険者、一部自己負担あり

以上のように、40歳以上の常時使用する労働者については、労働安全衛生法上の健康診断(雇い入れ時、定期)と今回の特定健康診査とでダブることになる。

これについては、厚生労働省基準局長より「特定健康診査等の実施に関する協力依頼」(基発第0117001号)により、
「労働安全衛生法その他の法令に基づく健康診断を受診した者又は受診できる者については、それらの健康診断を受診し、その結果を医療保険者が受領ことにより、特定健康診査の全部または一部を行ったものとする」とされている。

つまり、事業主が労働安全衛生法上の健康診断を実施し、その結果を医療保険者に提供するようにとのことである。

健康診断については、どちらも医療機関に委託して実施する訳だが、医療機関により、費用が違うものの、概ね7000円位は必要だ。
中小企業にとって、この7000円は非常に重い負担である。

そこで、逆に特定健康診査の診断結果を労働安全衛生法上の健康診断として使えないかと考え、労働基準局に問い合わせてみた。
すると、本人の承諾を前提に、特定健康診査の診断結果をもって、労働安全衛生法上の診断結果とすることができるとの回答だった。

事業主にとっては、今まで7000円位、経費がかかっていたのが、本人負担分を会社が負担するとして、2000円位で済むことになる。
これは、事業主にとって、ありがたい話ではないだろうか。