2010.06.01 Tuesday

育児介護休業法改正施行間近!平成22年6月30日より全面施行

育児介護休業法(育児休業・介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)が改正され、すでに一部は施行されています。

第1次施行(平成21年9月30日)
(1)事業主による苦情の自主的解決及び都道府県労働局長による紛争解決の援助制度の創設
(2)法違反に対する勧告に従わない場合の企業名の公表制度、報告を求めた場合に報告をせず又は虚偽の報告を行った場合の過料の創設

第2次施行(平成22年4月1日)
(1)指定法人の業務の改廃
(2)育児・介護休業法に係る労働者と事業主の間の紛争に関する調停制度の創設

今回、6月30日より施行される部分は次の内容です。

第3次施行(平成22年6月30日)
(1)3歳までの子を養育する労働者に対する短時間勤務制度の措置の義務化、所定外労働の免除の制度化
(2)子の看護休暇の拡充
(3)男性の育児休業取得促進策(パパ・ママ育休プラス等)
(4)介護休暇の創設

但し、常時100人以下の労働者を雇用する事業主については、平成24年6月30日まで、適用を猶予する暫定措置がありますのでご紹介します。

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育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
(常時100人以下の労働者を雇用する事業主等に関する暫定措置)
第2条 この法律の施行の際常時100人以下の労働者を雇用する事業主及び当該事業主に雇用される労働者については、公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日までの間、第2条の規定による改正後の育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「新法」という。)第5章第6章及び第23条から第24条までの規定は、適用しない。
この場合において、第2条の規定による改正前の育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第23条及び第24条の規定は、なおその効力を有する。
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則
(常時100人以下の労働者を雇用する事業主等に関する暫定措置)
第2条 この省令の施行の際常時100人以下の労働者を雇用する事業主及び当該事業主に雇用される労働者については、改正法附則第2条に規定する政令で定める日までの間、第3条の規定による改正後の育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則第5章、第6章、第20条の2第1項の表第24条の項、第20条の2第2項の表第30条の6(見出しを含む。)の項、同表第30条の7(見出しを含む。)の項及び第33条の2から第34条までの規定は、適用しない。この場合において、第3条の規定による改正前の育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則第34条、第5条の規定による改正前の健康保険法施行規則第26条の2、第六条の規定による改正前の船員保険法施行規則第10条第5号、第7条の規定による改正前の厚生年金保険法施行規則第10条、第8条の規定による改正前の厚生年金基金規則第16条の2の規定は、なおその効力を有する。

解説

適用を猶予される制度
  1. 第5章  介護休暇制度
  2. 第6章  所定外労働の制限
    3歳に満たない子を養育する労働者がその子を養育するために請求した場合
    においては、事業主は所定労働時間を超えて労働させてはならない。
  3. 第23条 所定労働時間の短縮措置等(短時間勤務制度等)
    3歳に満たない子を養育する労働者であって育児休業をしていないものに関
    して、1日の所定労働時間を原則として6時間とする措置を含む措置を講ずる
    義務
  4. 第24条 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関する措置
    小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、育児休業に
    準じる制度、所定外労働の制限に関する制度、所定労働時間の短縮措置また
    はフレックスタイム制等の措置に準じて、必要な措置を講じる努力義務
適用を猶予される期間

平成24年6月30日まで

適用を猶予される事業主
常時100人以下の労働者を雇用する事業主
「常時」とは、常態として、という意味であり、「常時100人以下の労働者を雇用する」とは、常態として100人以下の労働者を雇用している場合をいい、臨時に労働者を雇い入れた場合、臨時的に欠員を生じた場合については、労働者の数が変動したものとしては取り扱わない。
日々雇用される者や期間を定めて雇用される者もこれに含まれる。
複数の事業所を擁する事業主において、100人以下の労働者を雇用する事業主であるかどうかは、事業主単位で算定する。(施行通達より)
適用を猶予されている期間の旧法の適用

第23条及び第24条の規定は、なおその効力を有する。 (改正育介法附則第2条)

  1. 旧法第23条
    勤務時間の短縮等の措置等
  2. 1歳(1歳6か月までの休業ができる場合にあっては、1歳6か月、以下同じ)に満たない子を養育する労働者(日々雇用を除く)で育児休業をしないものに関しては次の措置のいずれかを、1歳(1歳6か月までの休業ができる場合にあっては、1歳6か月)以上3歳に満たない子を養育する労働者(日々雇用を除く)に関しては育児休業に準ずる措置又は次の措置のいずれかを講ずる義務
    [・ 短時間勤務の制度]
    [・ フレックスタイム制]
    [・ 始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ]
    [・ 所定外労働をさせない制度]
    [・ 託児施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与]

  3. 旧法第24条
    3歳から小学校就学始期に達するまでの子を養育する労働者に関する措置
    3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、育児休業制度又は勤務時間短縮等の措置に準じて、必要な措置を講ずる努力義務

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