「スカイマーク・サービスコンセプト」に考えさせられる!?
「機内での苦情は一切受け付けません」「客室乗務員に丁寧な言葉遣いを義務付けておりません」
航空会社のスカイマークが搭乗客に対して、サービスの簡略化などへの理解を求める内容の文書を、5月中旬から機内に備え付け始めた。
1998年に運航を始めたスカイマークは、低価格を武器に事業を展開。最近参入が相次ぐ格安航空会社(LCC)に対抗するため、経費削減を進めているとされる。
コストカットによるサービス簡素化に伴い増加も予想される顧客の苦情に、先手を打つような同社の措置は論議を呼びそうだ。(共同)
この記事を見て、人事の専門家として、非常に考えさせられた。
というのも、「職務」の捉え方により、客室乗務員の職務の内容や役割、責任がこうも違うものかということを考えさせられたからだ。
「職務分析」という手法がある。
「職務分析」とは、職務の内容を明確にすることである。
業務の内容と責任の程度を明らかにする。
業務の内容としては、業務の目的は何なのか、必要な知識や技能の水準がどれ位なのか。
責任の程度としては、権限の範囲、役割の範囲、トラブル発生時や緊急時の対応、成果への期待度などの要素に着目して分析する。
スカイマークの客室乗務員の職務とは何なんだろうか?
スカイマーク・サービスコンセプトの5に「客室乗務員は保安要員として搭乗勤務についており接客は補助的なものと位置付けております。」とある。
「保安要員」とは保安維持・災害防止のための業務に従事する人のことである。
一方、一般的な「客室乗務員」の定義としては、運航中、主として客室における乗客への接客サービスに従事する乗務員である(wikipedia)とするのが普通ではないだろうか?
この認識の違い=職務に対する期待・役割の違いが、今回の騒動の原因だと思える。
"客室乗務員というブログ"
に客室乗務員は保安要員という専門職である根拠が述べられている。
スカイマークとしては、「客室乗務員」の職務の認識の違いを明らかにし、顧客の理解を得ようと意図したものと解釈できる。
しかし、あまりにも、一方的に過ぎるのではないだろうか。
客側から考えた時に、求めるサービスは何か?というと、
「安全・定刻に目的地に到着すること」が第一のサービスではないか。
副次的には、「快適に目的地に到着すること」が挙げられる。
サービスを取るか、運賃の安さを取るかは客の選択によると考えるが、最低限の「安全・定刻」は確保されねばならない。
「安全・定刻」を視点に先ほどの「スカイマーク・サービスコンセプト」を見てみると、
確かに、荷物収納については客の責任で行うべきだ。しかし、定刻に出発するためには、ご高齢の方や背が低い人、小児などへの援助は必要であろう。
”物は言いよう”という諺もある、時には厳しい口調で注意することもあるだろうが、安全管理のために、乗客と会話する場合に常識的な言葉使いは必要ではないだろうか。定刻に発着するためには、乗客との無用なトラブルを避ける会話術は必要である。
これは、自由でも良いのではないだろうか。
服装も自由で良いのでは。
しかし、緊急時に行動できる服装は必要であろう。
いくら保安要員と言え、勤務中の私語は職務専念義務違反である。
乗客の中に危険行為をする者もいないとは限らない。
私語に興じて、危険行為を見逃すようなことがあってはならない。
乗客同士のトラブルについては、客室乗務員は関係無いということか?
万一食い違った場合には、客室乗務員の指示に従うということは納得できる。
しかし、なぜ、地上係員と客室乗務員の指示に食い違いがあるのか?
状況が変わらない限り、食い違いがでることは無いはずなのに。
ここでは、どういうことを苦情と言っているのであろうか。
一切受け付けないとはどういうことか。
「消費生活センター」と自社外の機関に下駄を預けていることは、その後の東京都からの見解でも明らかなように、言語道断である。
「職務分析」とは、職務の内容を明確にすることである。
業務の内容と責任の程度を明らかにする。
業務の内容としては、業務の目的は何なのか、必要な知識や技能の水準がどれ位なのか。
責任の程度としては、権限の範囲、役割の範囲、トラブル発生時や緊急時の対応、成果への期待度などの要素に着目して分析する。
スカイマークの客室乗務員の職務とは何なんだろうか?
スカイマーク・サービスコンセプトの5に「客室乗務員は保安要員として搭乗勤務についており接客は補助的なものと位置付けております。」とある。
「保安要員」とは保安維持・災害防止のための業務に従事する人のことである。
一方、一般的な「客室乗務員」の定義としては、運航中、主として客室における乗客への接客サービスに従事する乗務員である(wikipedia)とするのが普通ではないだろうか?
この認識の違い=職務に対する期待・役割の違いが、今回の騒動の原因だと思える。
"客室乗務員というブログ"
に客室乗務員は保安要員という専門職である根拠が述べられている。
スカイマークとしては、「客室乗務員」の職務の認識の違いを明らかにし、顧客の理解を得ようと意図したものと解釈できる。
しかし、あまりにも、一方的に過ぎるのではないだろうか。
客側から考えた時に、求めるサービスは何か?というと、
「安全・定刻に目的地に到着すること」が第一のサービスではないか。
副次的には、「快適に目的地に到着すること」が挙げられる。
サービスを取るか、運賃の安さを取るかは客の選択によると考えるが、最低限の「安全・定刻」は確保されねばならない。
「安全・定刻」を視点に先ほどの「スカイマーク・サービスコンセプト」を見てみると、
1. お客様の荷物はお客様の責任において収納をお願いいたします。客室乗務員は収納の援助をいたしません。
確かに、荷物収納については客の責任で行うべきだ。しかし、定刻に出発するためには、ご高齢の方や背が低い人、小児などへの援助は必要であろう。
2. お客様に対しては従来の航空会社の客室乗務員のような丁寧な言葉使いを当社客室乗務員に義務付けておりません。客室乗務員の裁量に任せております。安全管理のために時には厳しい口調で注意することもあります。
”物は言いよう”という諺もある、時には厳しい口調で注意することもあるだろうが、安全管理のために、乗客と会話する場合に常識的な言葉使いは必要ではないだろうか。定刻に発着するためには、乗客との無用なトラブルを避ける会話術は必要である。
3. 客室乗務員のメイクやヘアスタイルやネイルアート等に関しては「自由」にしております。
これは、自由でも良いのではないだろうか。
4. 客室乗務員の服装については会社支給のポロシャツまたはウインドブレイカーの着用だけを義務付けており、それ以外は「自由」にしております。
服装も自由で良いのでは。
しかし、緊急時に行動できる服装は必要であろう。
5. 客室乗務員の私語等について苦情を頂くことがありますが、客室乗務員は保安要員として搭乗勤務に就いており接客は補助的なものと位置づけております。お客様に直接関わりのない苦情についてはお受けいたしかねます。
いくら保安要員と言え、勤務中の私語は職務専念義務違反である。
乗客の中に危険行為をする者もいないとは限らない。
私語に興じて、危険行為を見逃すようなことがあってはならない。
6. 幼児の泣き声等に関する苦情は一切受け付けません。航空機とは密封された空間でさまざまなお客様が乗っている乗り物であることをご理解の上で搭乗いただきますようお願いします。
乗客同士のトラブルについては、客室乗務員は関係無いということか?
7. 地上係員の説明と異なる内容のことをお願いすることがありますが、そのような場合には客室乗務員の指示に従っていただきます。
万一食い違った場合には、客室乗務員の指示に従うということは納得できる。
しかし、なぜ、地上係員と客室乗務員の指示に食い違いがあるのか?
状況が変わらない限り、食い違いがでることは無いはずなのに。
8. 機内での苦情は一切受け付けません。ご理解いただけないお客様には定時運航順守のため退出いただきます。ご不満のあるお客様は「スカイマークお客様相談センター」あるいは「消費生活センター」等に連絡されますようお願いいたします。
ここでは、どういうことを苦情と言っているのであろうか。
一切受け付けないとはどういうことか。
「消費生活センター」と自社外の機関に下駄を預けていることは、その後の東京都からの見解でも明らかなように、言語道断である。
不要なサービスを排除し、コストを下げることを”カット・オフ”と言う。本当に不要なサービスのカットならば、大いに推奨されるであろうが、必要なサービスまでもカットして、低料金としても、客がついてくるであろうか。
安全・定刻という最低限のサービスまでもカットする方法では、いくら低料金であっても、乗る客は減るのではないだろうか。
しかし、今回、客室乗務員の職務の明確化という意味では、良い材料を提供してくれた。