2008.12.08 Monday

雇い止め、期間契約終了時の注意点!

急激な雇用情勢の悪化のためか、最近私のホームページで「有期労働契約の締結及び更新・雇止めに関する基準」を参照される方が多い。

巷でも、自動車関連産業を中心に期間契約社員や派遣社員の契約更新をしないこと、いわゆる雇い止め が社会問題化している。

あらためて、期間契約や期間契約終了時の注意点について、まとめてみることにした。

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雇止めとは、

労働基準法改正【H16.1.1施行】で、『有期労働契約に関する改正』があり、

  1. 厚生労働大臣は、期間の定めのある労働契約の締結時及び当該労働契約の期間の満了時において労働者と使用者との間に紛争が生ずることを未然に防止するため、使用者が講ずべき労働契約の期間の満了に係る通知に関する事項その他必要な事項についての基準を定めることができる。 (第14条2項)
  2. 行政官庁は、前項の基準に関し、期間の定めのある労働契約を締結する使用者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。 (第14条3項)

とし、これを受けて『有期労働契約の締結及び更新・雇止めに関する基準』(平成15年厚生労働省告示・平成20年3月1日一部改正)が告示されています。

  1. 契約締結時の明示事項等
    ・期間満了後における更新の有無
    ・更新する場合又はしない場合の判断の基準
  2. 雇止めの予告
    (更新有りの有期労働契約を3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限る)
    ・有期労働契約を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約の期間の満了する日の30日前までに、その予告をしなければならない。
  3. 雇止めの理由の明示)
    ・労働者が「更新しないこととする理由」及び「更新しなかった理由」について証明書を請求したときは、遅滞なくこれを交付しなければならない。

有期労働契約とは、パートタイマー、契約社員、嘱託、臨時社員、アルバイト等当該労働契約に係る労働者の事業場における呼称を問わず、期間を定めて締結されている労働契約をいいます。

この有期労働契約の満了に際し、使用者が契約の更新を拒絶することを言い、一般に雇止めと呼んでいます。

雇止めの留意点

雇い止めであっても、契約更新が反復継続されていた場合など、一定の要件を充たす場合には解雇と同じように捉えられ、使用者の一方的な雇い止めは解雇権の濫用とされ無効となることがあります。

先の、『有期労働契約の締結及び更新・雇止めに関する基準においても、一定期間以上継続して雇用している有期労働契約者について、雇い止めをする場合は少なくとも30日前に予告することされています。

しかし、この規程は解雇予告と同様の趣旨であり、30日前に予告をすれば、無条件に雇止めを許している訳ではありません。

  1. 有期労働契約の雇止めに関する裁判例を見ると、契約の形式が有期労働契約であっても、
    • 反復更新の実態や契約締結時の経緯等により、実質的には期間の定めのない契約と異ならないものと認められた事案
    • 実質的に期間の定めのない契約とは認められないものの契約更新についての労働者の期待が合理的なものと認められた事案
    • 格別の意思表示や特段の支障がない限り当然更新されることを前提として契約が締結されていると認められ、実質上雇用継続の特約が存在するといいうる事案
    があり、使用者は、こうした事案では解雇に関する法理の類推適用等により雇止めが認められなかった事案も少なくないことに留意しつつ、法令及び雇止めに関する基準に定められた各事項を遵守すべきものであること。
  2. 雇止めに関する基準は、有期労働契約の契約期間の満了に伴う雇止めの法的効力に影響を及ぼすものではないこと。

つまり、更新の回数や契約更新時の手続などを総合的に判断し、実質上”期間の定めの無い雇用契約”であると判断される場合には、解雇の法理が適用されることとなります。

解雇は『労働契約法』(平成19年12月5日施行)により、

第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
第十七条 使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。

とされています。

整理解雇が認められるためには、

  1. 人員整理の必要性
  2. 解雇回避努力義務
  3. 被解雇者選定の合理性
  4. 手続きの妥当性

の4要件が必要であり、雇止めといって、安易に実施されるべきものではなく、充分な配慮が必要です。

 

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