2009.01.22 Thursday

一時休業をお考えの中小企業事業主の方へ:従来の雇用調整助成金の支給要件が大幅に緩和!

 仕事上で製造業の中小企業の社長や人事責任者とお話をさせていただくことが多い。
トヨタ、ホンダ、日産の自動車業界では、2割?3割の生産台数の削減が発表されている。
その影響で、下請けの自動車関連部品製造や車載用半導体、製造装置とほとんどの製造業で受注減少が著しい。

先日も、ある自動車部品製造業の社長から、「受注の減少で、いろいろと対策を考えているが、もう限界。何とか雇用は維持したいので、一時休業を考えている。」と話があった。

そこで、ご紹介したのが『中小企業緊急雇用安定助成金』の制度だ。
この助成金は従来の「雇用調整助成金」の支給要件を緩和し、支給額もアップされて創設された助成金制度だ。

この助成金を知らずに、一時休業をしているとしたら、非常にもったいない話。
是非、この助成金の活用を検討してください。

当事務所でも、ご相談に応じます。

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中小企業緊急雇用安定助成金

従来の「雇用調整助成金」を見直し、「中小企業緊急雇用安定助成金」が創設されました。

 急激な資源価格の高騰や景気の変動などの経済上の理由による企業収益の悪化から、生産量が減少し、事業活動の縮小を余儀なくされた中小企業事業主が、その雇用する労働者を一時的に休業、または教育訓練、出向をさせた場合に、休業、教育訓練または出向に係る手当もしくは賃金の一部が助成されます。

従来の雇用調整助成金制度との違い

1.支給要件が大幅に緩和されました。

中小企業緊急
雇用安定助成金
従来の
雇用調整助成金
生産量要件

最近3ヶ月間の月平均値が前年同期又は前3ヶ月に比べ5%以上減少していること
または、
前期決算等の経常利益が赤字で、
最近3ヶ月間の平均値が前年同期又は前3ヶ月と比べ減少していること

←   前期決算等の経常利益が赤字で、
最近6ヶ月間の月平均値が前年同期に比べ減少していること
雇用量要件

最近3ヶ月間の月平均値が前年同期に比べ増加していないこと
(雇用量要件は廃止されました)

最近6ヶ月間の月平均値が前年同期に比べ増加していないこと

2.助成率や教育訓練費が引上げられました。

中小企業緊急
雇用安定助成金
従来の
雇用調整助成金
助成率

5分の4

←  

3分の2

教育訓練費

一人1日
6,000円

一人1日
1,200円

なお、労働基準法(第26条)では休業手当として、

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。

としています。

例えば、
従業員の平均賃金が一人1日、10,000円とすると
10,000円×60÷100=6,000円 の休業手当を支払う必要があります。
従業員へ一人1日6,000円の休業手当を支払うと
6,000円×4/5=4,800円 の助成金が受給できるということになります。

教育訓練を行った場合は、
上記に加え、一人1日6,000円分の教育訓練費が受給できるということになります。

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